大相撲小言場所


平成二十四年名古屋場所展望〜白鵬は限界か〜

 先場所は予想だしなかった平幕同士の優勝決定戦。むろん、大関で唯一決定戦に出る可能性のあった稀勢の里が千秋楽に敗れたのが大きい。
 今場所の稀勢の里に注目したいのは、その悔しさを今場所どういう形でぶつけてくれるか、というところ。気合が入って初優勝につきすすむのか、空回りして序盤で早くも脱落するのか。
 六大関で一番最初に脱落した日馬富士がどうなるか、これにも注目したい。六大関もいたら、上に上がる力士と下がる力士が出てくるのは過去の五大関時代を見ていたら、必然としかいいようがない。先場所の日馬富士にその兆候を見たのですね。ここで奮起しないとかなり厳しいことになると思う。
 そして、ここにきて新聞や雑誌で出てきたのが「白鵬限界説」である。一時の無敵ぶりと比べると取りこぼしや故障が目立ち過ぎる。先場所の混戦の理由には白鵬の不振があったのはいうまでもない。それに対し白鵬自身は否定し、調整の失敗を理由に挙げているが、貴乃花のように史上最強の横綱になる可能性を秘めながら故障によって道半ばで引退してしまった例もある。ここを乗り切れば、大鵬のように息の長い強豪横綱として記録にも記憶にも残ることになるだろう。そういう意味では、今場所は白鵬にとっての正念場といえるだろう。
 というわけで、今場所の注目力士は稀勢の里と白鵬だ。毎場所変わらないような気もするが、意味合いとしては以前とは大きく異なるのである。
 

(2012年7月7日記)


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