大相撲小言場所


平成二十五年名古屋場所展望〜稀勢の里、横綱の条件〜

 先場所準優勝だった稀勢の里が、今場所はついに横綱昇進を賭ける。条件としては14勝以上で優勝、優勝同点、もしくは準優勝。というのは新聞辞令ですね。さて、伊勢ヶ浜審判部長はどう考えているのか。北の湖理事長はどういう思いなのか。どうも先場所の打ち出しのあとのコメントを見ていると、理事長ははやく稀勢の里を横綱にしたいみたいだし、審判部長は厳しめにしたがっている。これは、優勝なしで横綱に昇進した双羽黒が(親方夫妻とのトラブルが原因ではあるが)短命に終わったのを受けて、次の旭富士(現伊勢ヶ浜審判部長)以降は、すべての横綱に2場所連続優勝の条件を課してきた、その原則を守るのか崩すのかという大きな問題でありますね。
 私の考えをまとめておくと、まず優勝なしの昇進は避けたい。横綱になるまで一度も優勝がないというのは、最強の称号を与えるには何かが不足していると思われるから。もし優勝できなかった場合でも、準優勝で、優勝者を下していれば昇進させてもよいと思うけれども、優勝者に勝っていなければ来場所にもう一度チャンスを残すべし。もし星の上では優勝できなかったとしても、優勝者を下していたというならば、この場合は互角の力を持っていて優勝と同じ価値があると考えてもよいからである。
 興行上の理由で急いで作った横綱が、力を発揮できないまま引退してしまった例は嫌ほど見ている。少なくとも連続優勝が義務付けられて以降は、そこで力尽きた感のある旭富士と若乃花(勝)以外は横綱にふさわしい実績を残して引退している。ハードルを下げてやることは、けっして稀勢の里のためにも、相撲界全体のためにもならないと、私は思う。
 さて、稀勢の里は期待にこたえられるかどうか。私は、稀勢の里には期待したら必ず裏切られるので、期待はしないことにしている。序盤で下位力士に取りこぼしさえしなければ先場所のような活躍は可能だと思われるが……。
 

(2013年7月6日記)


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