春場所後、鶴竜の横綱昇進が決定した。土俵入りはいわゆる雲竜型。先輩横綱の白鵬と日馬富士は両者ともいわゆる不知火型なので、雲竜型の横綱は朝青龍以来ということになる。
新横綱の場所なので、鶴竜にそれほど大きな期待はかけない方がよいだろう。逆に、鶴竜の昇進に刺激を受けて、白鵬、日馬富士ら先輩横綱や、先に横綱昇進の機会のあった稀勢の里といったところが活躍してくれるのに期待をしたい。
初日、土俵入り姿を見た。白鵬や日馬富士は手をひらいた時に前かがみになりそこから上半身を持ち上げるようなあまりいい形でないのに対し、鶴竜は多少前かがみではあったけれど三段構えの下段の形がしっかりできていて、せりあがりも下半身から力強く上に起きていく形になっていて、好感が持てた。
今場所は白鵬が先場所優勝を逃しただけにかなり気合が入っているようだ。日馬富士は逆に初日から引き技を見せるなど自信の見られない取り口で、怪我が完治していないのではないかと危惧される。稀勢の里はまず初日に落ち着いた相撲を取ったため、今場所は期待してもよさそうだ。
初めて髷を結った遠藤、新入幕の佐田の海、先場所結果を出した豪栄道など、活躍が期待される。特に豪栄道は大関昇進に向けて今場所は相撲内容、成績ともいいものを見せて来場所につないでおきたいだけに、特に対横綱の取組でどれだけ力を発揮できるか。
まず今場所は、特に序盤は新横綱鶴竜に注目が集まるだろう。それに隠れるような形で実力者たちがプレッシャーを感じずに白星を積み重ねて、レベルの高い優勝争いを後半で見せてくれるのではないかと楽しみにしている。
（２０１４年５月１１日記）
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