大相撲小言場所


平成二十七年初場所展望〜白鵬を止める者は〜

 ついに大鵬の優勝回数に並んだ白鵬。年末年始の相撲番組でその強さをNHKやBS民放番組で分析していたが、体の柔らかさ、そして大きなけがをしないことがあげられていた。ただ、横綱土俵入りを見ると、明らかに左足一本になった時には四股の足があまり上がっていない。それでも踏ん張れているのだから重症ではないのだろうが、各力士は白鵬を上回るスピードで動き、体の横に食らいついて攻めるというような工夫をすれば、番狂わせは可能だと思うのだが。先場所、高安の取ったような相撲はまさに白鵬を倒すお手本のような取り口だった。
 鶴竜が結婚を発表し、これが発奮材料となって打倒白鵬の一番手となってくれることを期待したい。稀勢の里も怪我の回復状態次第では優勝候補にあげてもいい。場所前の稽古も新聞などによるとかなり順調のようだ。
 若手ではもちろん逸ノ城と遠藤が打倒白鵬を期待させる。ただ、逸ノ城は体重が200kgをこえたということで、がっぷり四つになった時はその重さが武器になるだろうが、機敏な動きができなくなる恐れがある。そのあたりは今場所よく見極めていきたいところだ。遠藤は先場所本来の相撲が取れるようになってきたので、今場所は期待大である。
 カド番の琴奨菊と豪栄道の両大関は、勝ちを焦らず自分の相撲を取り切っていってくれれば、勝ち越すことは難しくないだろう。前半戦に勢いがつけば、優勝争いにも加われるのではないか。
 白鵬が「大鵬越え」を意識して勝ちにいく相撲を取ることは予想に難くない。そこに隙が生まれるのではないかと思うのだが、立ち合う前から気圧されている力士が多いように思うので、勝負は心技体の「心」の部分にかかってくるのではないだろうか。
 ダークホースは日馬富士。顔面の骨折が癒えたであろう今場所は、先場所以上に思い切りのよい相撲が見られると期待している。
 とにかく、誰が白鵬を止めるか。私は特にアンチ白鵬というわけではないのだが、いつも書くように独走だけはさせないで、千秋楽まで楽しませてもらいたいものである。
 

(2015年1月10日記)


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