大相撲小言場所


平成二十九年秋場所展望〜3横綱休場で荒れる秋?〜

 いよいよ世代交代の場所となりそうだ。先場所に続いて鶴竜と稀勢の里の2横綱がはやくも休場を届け出ると、1日遅れて先場所優勝の白鵬までが休場を届け出た。なんと3横綱が全休。出場するのは日馬富士ただ一人ということになった。
 大関陣も、豪栄道と照ノ富士はカド番で、まずは勝ち越しが目標となる。もっとも照ノ富士はカド番の場所で優勝争いをしたことがあるから、勝ち越しがやっととなるかどうかはわからないが。ともかく大関で元気なのは高安だけということになる。
 先場所優勝争いをした碧山も初日から休場。先場所の相撲を盛り上げた力士が二人とも休場とは。
 ならば日馬富士と高安が圧倒的に優位に立っているかというと、そうとも言い切れない。責任感の強い日馬富士も、序盤につまづくことが多いし、高安は大関二場所目でまだ安定感がない。
 この秋場所は大荒れになる可能性を秘めている、といっていいだろう。
 優勝争いに関脇以下から誰がからむかは予想しにくいが、ベテランながら大関を狙うと公言している嘉風、先場所は負け越したが相撲開眼した玉鷲、平幕優勝に手が届きかけた頃の相撲を取り戻した栃煌山、将来の大関と目される正代や御嶽海あたりか。
 若手では阿武咲、貴景勝、宇良が上位をかき回すおもしろい存在になりそうだ。新入幕の朝乃山、再入幕の豊山にも期待がかかる。
 力士の名前を並べ立てればよいというもではないだろうが、それだけ展開が読めない場所になりそうだということ。
 こういう場所には予想外の力士が優勝することがある。たとえばかつての旭天鵬のように。場所前誰も優勝候補に挙げていなかった力士に栄冠がまわってくるのだ。
 それだけおもしろい場所になるということだが、3横綱の休場に対し、若手たちが大暴れするような展開になると、世代交代が一気に進む場所になる可能性はおおいにあるだろう。
 個人的には石浦あたりが突如優勝したりしたら……と期待したいのだけれど、ちょっと無理があるか。

(2017年9月9日記)


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