大相撲小言場所


平成三十年秋場所展望〜御嶽海の大関昇進なるか〜

 今場所はみどころがいくつもある。
 まずは先場所優勝した御嶽海の大関昇進が成るかどうか。星勘定でいえば11勝が目安になるようだが、ただ11勝するのではなく、優勝争いに最後まで加われるか、相撲内容はどうかという点が問われることになるだろう。勢いをつけて一気に駆け上がれるか、それとも壁に当たるか。ここらあたりはまず一番の注目点だろう。
 次は、横綱稀勢の里である。出場を決めたからにはなにがあっても千秋楽まで取り切ってもらわなければ、途中休場はもう許されまい。相撲雑誌で元横綱の若乃花虎上さんが「負け越してもいいから、15日間取り切ること」とアドバイスしていた。大乃国、若乃花(勝)の2横綱が15日間出場して負け越しているけれど、それで進退を問われることはなかった。8場所にわたる休場で土俵勘も戻っていないのだから、優勝しろだのと言うのは酷というもの。今場所を乗り切って、来場所以降に賭ける。それは鶴竜が復帰場所で終盤息切れしたが、翌場所から2場所連続優勝した、その過程が手本となるだろう。
 白鵬と鶴竜の仕上がり具合もみどころ。先場所は両横綱が場所中に休場してしまったため興をそいだ。白鵬も長く賜杯から遠ざかっている。休場も増えてきた。衰えが明らかに見られる。そのような中で、やはり15日間皆勤を望みたい。
 大関栃ノ心はカド番で迎える。稽古場では痛めた親指にまだ不安が残るようだが常に先手先手で攻めきれば勝機は十分にある。
 三段目にまで陥落していた宇良が久々の出場。今場所はリハビリ期間と割り切って無理をせずに7番休まず取り切ってほしい。
 とにかく今場所は横綱大関すべて皆勤し、御嶽海の大関昇進に立ちはだかっていってほしいし、御嶽海が上位力士と互角に渡り合えれば、大関昇進も夢ではあるまい。

(2018年9月8日記)


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