先場所優勝した御嶽海は、今場所も優勝するようなことがあると大関昇進の可能性がある。審判部では大関昇進の目安を示さず、結果と内容次第というあいまいな表現をしているが、名古屋場所は９勝どまりだったので判断を留保したものと思われる。巡業では精力的に稽古をし、このチャンスを生かそうとしているようなので、期待したい。
そこに立ちはだかってほしいのが両横綱だ。白鵬は場所前の稽古は順調にこなしており、序盤を乗り切れば優勝争いの一番手に押してもいいのではないか。鶴竜も師匠の急逝に伴い陸奥部屋に転籍して初めての場所で、師匠の弔い合戦という意識は強かろう。ただ、両横綱とも優勝の可能性が消えると特権を利用して休場するのが当たり前のようになっているのが気にかかる。たとえ優勝争いから脱落しようと、両横綱が不在ではやはり場所の重みが違う。ぜひ両横綱には皆勤してほしいものだ。
先場所の優勝決定戦で左胸の大胸筋を傷めた貴景勝は、大関復帰の場所となる。まだ大関として皆勤した場所がないだけに、今場所に賭ける思いは強いだろう。左ひじを痛めてカド番となった高安も、とにかく優勝したいという思いは強かろう。場所前に演歌歌手の杜このみとの婚約を発表しただけに、その思いはさらに強くなっているはずだ。豪栄道は古参大関として優勝争いに最後までからんでくれればそれでよい。
年間最多勝利を御嶽海と争っている阿炎が優勝宣言をしている。場所前に若元春とつまらない動画をＳＮＳにあげて協会から注意を受けているだけに、土俵上で挽回してもらいたい。舞の海さんは「次に初優勝するのは阿炎」と予想している。本場所での度胸は一番の力士なので、思い切りのいい突っ張りでファンを沸かしてほしいものだ。
炎鵬が幕内中位にあがり、いよいよ上位との対戦もあるだろう。負けてもよいので、得意のひねり技がどこまで通用するかを見せてほしい。遠藤も結婚を発表した。相撲のうまさでは幕内随一なので、そろそろ優勝争いに加わる活躍を見たいものだ。
忘れてはならないのは栃ノ心。２度目の大関陥落となったが、場所前の稽古では自信を取り戻したようなので、大関復帰を目指してほしい。
十両では新十両の豊昇龍と琴手計改め琴勝峰がどれだけ通用するのかに注目したい。幕下にいるライバルの納谷や塚原を刺激するような活躍を見せてほしいものだ。
幕下では前述の若手たちに加え、関取復帰を目指すもと大関の照ノ富士ともと幕内の千代鳳が関取復帰をかける土俵となるのも楽しみだ。
令和元年おさめの場所は充実した土俵でファンを沸かせてほしい。。
（２０１９年１１月９日記）
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