大相撲小言場所


令和四年春場所展望〜新大関御嶽海に続くのは誰か〜

 大阪の相撲ファンにとっては3年ぶりの春場所となる。昨年は両国国技館での開催、一昨年は大阪府立体育会館で行われたけれど、全日無観客での開催。私は一昨年13日目の切符を捕れたので心待ちにしていたが、無観客ということで払い戻しとなった。難波に力士たちが来ているのに、テレビ観戦しかできないという生殺しみたいな状況だった。
 今年は上限5000人での開催。私は千秋楽のチケットを手に入れたので、非常に楽しみにしている。
 今場所の目玉は新大関の御嶽海。ただ、先場所後に新型コロナウィルスに感染したとのことで、どれだけ万全の状態に近づけたかはわからない。新大関での優勝というのはあまり期待できない。他の二人の大関はカド番で臨む。貴景勝は怪我が完治しているかどうか。力が落ちているわけでないので、怪我とうまく付き合っていければ、優勝争いに加わることもできるだろう。
 問題は正代で、相撲雑誌で舞の海さんが指摘しているとおり、大関に昇進したころと比べると力が衰えている。番付は大関だが、勝ち越すのがやっとという状態では何を言われても仕方ないだろう。なにしろ下位力士が優勝争いをしていると割を崩されて横綱大関との対戦が組まれなくなったりするくらいなのだから。これほど軽い扱いを受けている大関はこれまでいなかったのではないか。
 となると、御嶽海に続く大関候補に期待するしかない。新関脇の阿炎がその一番手であると私は思うし、舞の海さんはじめ二子山親方や西岩親方なども相撲雑誌で大関候補としてその名をあげている。とにかく引き技で自滅しないようになったのが大きい。長い手足を活用して足をしっかりと出しながら力強い突っ張りで相手を押し込む。十両優勝のあと、2場所続けて優勝争いにからんでいる。大関昇進に向けては今場所がスタートの場所ということになるだろうが、ここまでの実績を見たら今場所優勝でもしたら新大関に昇進というのもあり得ないことではない。
 まだ時間はかかりそうだが、新小結の豊昇龍も将来は大関にと期待したい力士。おじの朝青龍譲りの負けん気と、多彩な技で今場所も盛り上げてくれることだろう。新関脇の若隆景も今すぐは無理でもおっつけの型を持っているだけに、これが完成した時には大関にふさわしい力士に化けているだろう。大栄翔や阿武咲は突き押し相撲の悪癖であるツラ相撲が出てしまうので、候補にあげにくい。一時は第一候補にも名のあがった隆の勝も単調な相撲を研究されて大勝できなくなった。立ち合いの形をしっかりと固めるかどうかしないと大関からは遠のくばかりだろう。
 琴ノ若や王鵬らはその先の声歩になると面白いという感じか。
 さて、今場所の優勝候補だが、やはり横綱照ノ富士が一番手。阿炎がそれに続くか。できれば御嶽海もそこに加わってほしい。
 とにかく春場所、千秋楽まで目が離せない。、

(2022年3月12日記)


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