大相撲小言場所


令和四年九州場所展望〜波乱の一年、6人目の優勝者は出るか〜

 横綱照ノ富士が休場。本来なら大関最上位の貴景勝が優勝の第一候補に上がるべきなんだろうが、押し相撲はむらがあり、本場所での星取りの展開次第という感じになる。波に乗れば強いけれど、ひとつリズムが狂うと10勝がやっとという感じになるだろう。優勝の本命を誰と上げることができないのは苦しいが、混沌状態から意外な人が賜杯を抱くという可能性は高い。もし1年間6場所全ての優勝力士が違うと、なれば、約30年ぶりということになる。これも白鵬の引退がいかに大きなものだったかを示すことになるのだろう。
 焦点は3つと考える。まず、朝乃山は関取復帰なるか。幕下4枚目ということは悪くて5勝は上げないといけないだろう。
 続いて新三役翔猿と、三役昇進を賭ける宇良などの小兵力士が今場所も暴れてくれるかどうか。
 そしてカド番大関の正代は今場所も勝ち越してなんとか地位を保てるか、大関を陥落した御嶽海が10勝をあげて大関復帰を果たすか。
 今場所優勝のチャンスは高安、琴ノ若、阿炎あたりとにらんでいるのだが、果たしてこの予想は当たるだろうか。
 まさか玉鷲の連覇はないと思いたい。

 名古屋場所優勝の逸ノ城と師匠の湊親方の関係が悪化していと週刊文春がとりあげ、スポーツ紙でも大きく報じられた。これが本当なら由々しきことで、酔っていたとはいえおかみさんにも乱暴したとあらば、双羽黒の先例もあることなので、強制的な引退も考えられる。報じられた内容の検証をしっかりやって、適正な処分を協会はしていただきたい。安易に引退させるのでなく、例えば宮城野部屋あたりに移籍させてもと白鵬にしっかりとしつけてもらうとか、土俵に残られる選択肢を出してほしいものだ。

(2022年11月12日記)


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