大相撲小言場所


令和五年名古屋場所展望〜新大関霧島誕生、3人同時大関昇進はなるか〜

 今場所の見どころは3点。
 まずは大栄翔、豊昇龍、若元春の3関脇がそれぞれ11〜12勝を上げると、大関昇進の目安である33勝に到達し、それによっては史上初の3人同時の大関昇進の可能性があるということ。ただ、私はそれは難しいと思っている。先場所優勝の照ノ富士は、怪我とつきあいながらも地力を発揮し3人の前に立ちはだかるだろう。幕内上位に番付を戻してきた元大関の朝乃山も強敵である。新大関の霧島、小結の琴ノ若と阿炎も実力では関脇力士たちに引けを取らないものを持っている。そして、3関脇による星のつぶし合い次第では3人とも大関昇進ができないという可能性だってあるのだ。私の予想では、有利な順に大栄翔、豊昇龍、若元春となる。大栄翔が一番大関に近いのではないか。優勝経験もあり、決定戦も経験している。大一番の経験が、ここにきてものを言うと思う。豊昇龍は、粘り強い相撲とあっさりした相撲の差が激し過ぎるし、若元春は上位としての経験不足が気になる。3人一斉の昇進となれば面白いのだが、どうなることか。
 続いて新大関霧島の相撲。霧馬山から師匠のしこ名をもらい、霧島と改名。圧倒的な力はないけれど、相撲のうまさで長命の大関となるのではないだろうか。ただ、今場所はあまり期待しない方がよい。照ノ富士にはまだ通用しないし、大関昇進を狙う3人が勢いに乗った時には、新大関といえども敗れてしまう可能性が高いとみている。9勝すれば合格としたい。貴景勝が全休で不在のため、新大関ながら一人でその任を果たさねばならないプレッシャーもあるだろう。
 最後に照ノ富士の連覇。先場所、まだまだ強いところを見せてくれただけに、攻めにまわった時の強さは別格。連覇は不可能ではないと見ている。
 それ以外では、朝乃山がどれだけ力を戻しているか、新入幕の豪ノ山と伯桜鵬、湘南乃海はどれだけ幕内で通用するか。新十両の獅司も期待の一人。
 とにかく、けっこう楽しみの多い場所になりそうだ。

(2023年7月8日記)


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