愛すれどTigers


下柳10勝目でフタケタ勝利4人に

 神宮球場でのスワローズ最終戦で1勝。広島市民球場でのカープ2連戦で2連勝。今節は3勝と、連敗をストップしただけでなく、勝ち方を思い出して きたという感じだ。これで今季のロードは全て終了。日本シリーズに向けて、広島ではホークスナインが観戦。打線のつながりを見せつけてくれた。心配なのは 伊良部と下柳が打たれたこと。それでも下柳は打線のおかげで10勝目をあげ、井川、伊良部、ムーアと並んでフタケタ勝利の投手が4人ということになった。 いい形でシーズンを終われそうである。

◎スワローズ28回戦……4−3
 先発の井川は初回に鈴木の二塁打で2点を失ったが、2回から5回までは1安打に抑えた。高いに抑えこまれていた打線も、6回表、先頭の広澤がヒットで出 塁すると、赤星もセンター前にはじき返してつなぎ、金本のセンター前へのタイムリーで1点差に。しかし、井川はその裏二塁打の岩村を塁に置き、またもや鈴 木にタイムリーを打たれ、3点目を許す。7回表、投手が五十嵐亮に代わり、関本、矢野と三振。これで井川の勝利は絶望かと思われたが、藤本がレフト線へ二 塁打を放つと、井川の代打平下が四球を選び、三番手の山本から広澤がレフトオーバーの二塁打で走者を一掃し、同点に追いつく。さらに赤星もライトへタイム リーを放ち、広澤が必死にホームへかけこんで逆転した。その後はリガン、ウィリアムスをつぎこんで1点差を守り、井川に18勝目をプレゼントした。今年の 井川には打線に助けられるというツキがある。この日、福岡ダイエーホークスがパシフィック・リーグの優勝を決め、日本シリーズの相手も決定した。

◎カープ26回戦……10−7
 先発は伊良部。相変わらず不安定な投球で、2回裏に新井の2ランで2点を先制された。しかし、タイガースも若い河内を崩す。3回表、ヒットの赤星が盗 塁、金本が歩き、桧山が反撃のレフト前ヒットでまず1点。関本、片岡と三振に倒れたが、頼りになるのは矢野である。レフトオーバーに二塁打を放ち、逆転。 続く藤本もセンター前に打ち返して1点を追加。4−2と「逆転の虎」の持ち味を観客席のホークスナインに見せつけた。さらに4回表、アリアスのホームラン ダービートップに並ぶレフトスタンドへの38号ソロホームランで3点差と突き放す。楽勝かと思われた伊良部だったが、4回裏、新井に2打席連続となるソロ ホームランを打たれて2点差に。5回裏には末永の二塁打で1点差に詰め寄られた。6回からは下柳を投入した星野監督だったが、これが裏目に。新井を警戒し すぎて歩かせ、栗原にもヒットを許し、町田の二塁打などで2点を奪われて逆転を許した。しかし、7回表、4番手の横山を崩す。二死から片岡がヒットで出塁 し、矢野の二塁打で同点に。そして8回表、3連続四球で満塁とし、桧山がバックスクリーンに満塁ホームランを叩き込んで再びリード。三番手の福原は新井に この試合3本目のホームランを許すが、9回はぴしゃりと締めて逃げ切った。下柳は打たれたけれど打線のおかげで10勝目。この日、ウエスタン・リーグのプ レーオフでタイガースの二軍もカープを下してリーグ優勝を決めた。桜井、喜田にホームランが生まれているのが頼もしい。来季は頭角を現してくるだろう。

◎カープ27回戦……5−1
 初回、長谷川から赤星がヒットで出塁し、金本は四球。赤星はすかさず盗塁して三塁に進む。桧山は一塁ゴロ。しかし、一塁手の新井が先にファーストベース を踏んだためにランナーはタッチプレーとなり、金本が一二塁間を逃げる間に赤星が生還し、まず1点。2回には矢野のタイムリーで2点目を加える。井川は4 回裏、前田に完璧なあたりのホームランを打たれただけで、8回を1失点で抑える。8回表、打線は長谷川をとらえて沖原のタイムリー二塁打などで3点を追 加、勝利を決定づけた。最後はリガンが締めて完勝。井川は19勝目で、タイガースでは1979年の小林繁以来の20勝に王手をかけた。

◎愛すれどTigers週間MVP
投手……井川慶 今節は中4日で2回先発。2試合目はエースの風格を 見せて見事な勝ちっぷり。日本シリーズに向けて、エースの活躍は頼もしい限り。
野手……桧山進次郎 カープ戦での満塁ホームランは嫌なムードを払拭 する1本。ホークスの王監督に桧山ありを見せつけた。日本シリーズに向けて、4番の選手会長の活躍は頼もしい限り。

 今季も甲子園で2試合を残すのみ。チームは合宿をして日本シリーズに備える。チームも3連勝と上げ潮だし、いい感じだ。どうして最終戦から1週間 も日程が空くのだ。翌日から始めたっていいくらいだろう。どうも日程は先にジャイアンツのを組んでから他のチームのを組むのでこういうことになるらしい。 つまり、ここでもジャイアンツの横暴がファンを無視した日程のもとになっているのだ。許せないチームである。

 (2003年10月6日記)


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