「カナリア・ファイル〜金蚕蠱〜」に続く第2弾。前作で金蚕蠱にとり憑かれた少年が、今回は狂言回し的な役回りで新たな事件に参加(?)する。この趣向、なかなか面白い。シリーズ全体の連続性がより強くなるからだ。
前作で狼少女とカナリア少年が逃げ出した組織から、人の骨を土台に傀儡を作り意のままに操る少年が現れる。呪術師、有王は愛人を探してほしいという依頼を受け捜索するが、行く手を傀儡師が阻み、戦いは始まる。
この傀儡師くんは、ただ単に有王と戦いたいだけで人を傀儡に変えてしまうというとんでもない奴。しかし、なかなかこれが強敵。
前作同様、登場人物それぞれの背景をきめ細かく描き、話をより興味深いものにしている。全巻の設定を生かしているのでくどさがなくなった分、スピード感のある展開になった。
今後も期待できる新人であることは前巻の感想と全く同じだ。
(1998年3月1日読了)