「仮想巡洋艦戦記1 インド洋のゼブラ」に続く第2弾。
前巻ではインド洋でイギリス艦隊に一泡吹かせた護国丸の今回の相手はいよいよ米軍である。西海岸へ奇襲をかけるという作戦にあたるのだが、これは史実の真珠湾攻撃を米本土に改変したシミュレーションということになる。
しましまに塗装された船が極秘行動をとるのは目立ちはしないかと思うのだが。まあ、そこはお話ということで。
やはり西海岸襲撃なんて作戦はなかなか難しい。そらそやな。主人公である仮装巡洋艦・護国丸も炎上、艦長桐野(幕末の人斬り半二郎こと桐野利秋がモデルだろう)も船と命をともにする……ような展開なのだが、沈没したとか戦死したとかちゃんと書いていないので、次の巻からは幽霊艦隊か何かになって極秘任務か何かにつくんでしょうねえ。こんな冷静な読み方をしていていいのか。
いいのだ。
そんな風に先読みをされるような話を書く方が悪い。
前巻同様文章は目まぐるしく場面転換し、今読んでいるのが日本側の話かアメリカ側の話かドイツ側の話かややこしく分からんようになる。これは小説では逆効果。マンガや映画みたいに見たら分かるものと活字とは違うのだ。あと、なぜか現代語を使って会話をする者もいる。
小説に対する考え方とか、私とは違うんだろうなあ。
(1998年4月10日読了)