読書感想文


花のお江戸のでっかい奴【絶倫篇】
鳴海丈著
有楽出版社(新書)
1996年12月25日第1刷
定価790円

 「花のお江戸のでっかい奴【色道篇】」に続く完結篇。
 貫太が次々と女性たちと性交しまくるというのは全巻と同じ。本書ではなんと密命を受けて大奥に忍び込み、奥女中たちを総なめにする絶倫ぶり。
 で、まあ、ポルノ小説であることに違いはない。ただ、文化文政期の江戸風俗の描き方などはさすがに時代アクション小説の作家らしくしっかりした描写である。ただただ好色男が性交するだけの小説でよくまあこうちゃんと考証をしているものである。
 この作品を貫く明るさはいったいなんなんだ。ごくあっけらかんと野放図に女性を求める貫太の自然児ぶりがこの作品の一番の楽しみである。ポルノ小説にありがちな陰湿な部分がここにはなく、実に爽快である。

(1998年5月17日読了)


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