読書感想文


独立愚連艦隊 4
羅門祐人著
コスミックインターナショナル COSMO NOVELS
1998年2月13日第1刷
定価762円

 「独立愚連艦隊 3」の続刊。
 正規の連合艦隊が壊滅寸前までいき、大本営でも独立愚連艦隊を頼りにすることしきり。大官寺司令官にも重要な指令が下るが、それをそのまま実行するわけはなく、思いつきで適当に動いてパナマを占領してしまう。
 ハチャメチャ架空戦記、今回は財閥令嬢のマリアが金の力で米国艦隊の司令官になってしまい、自分勝手な行動で周囲を混乱に陥れる。なんと最後は独立愚連艦隊の一員みたいになってしまうのだ。
 前巻では企画はずれの人物が日米双方に登場し直接対決、それが互いのキャラクターを相殺していた感じがあったが、今回はそれなりに相乗効果をあげてはいる。というのも、このシリーズの面白さの根幹である「とんでもない連中のせいでまわりのまともな人間が勝手に巻き込まれて予想以上の結果を生む」という基本設定を踏んでいるからだろう。
 とはいえ、こう次から次へとタガのはずれた人間ばかり出てくると、かえって面白くなくなる。シリーズが長期化すると、それを維持するためにエスカレートさせて、それが裏目に出てしまう。そんな感じだ。

(1998年6月16日読了)


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