「新 旭日の艦隊 3」の続きにあたる。
徳間書店から幻冬社に版元を変えてのシリーズ再開。といっても版元移転の間の空白期は「新 旭日の艦隊」シリーズで補っているのだから、それほどブランクがあるような気もしないのだが。
で、その再出発だが、完全にイッてしまっているように思う。白銀部隊という退役軍人たちによる艦隊は、囮役として出撃しているのだが、いくらなんでも大量の丸太を海に浮かせて魚雷の防護柵としたり、空母の船体を空っぽにしてドイツ爆撃機の投下した爆弾を不発にさせたり、Uボートを丸太をつないだロープでからめとったりと、読んでいて唖然としてしまう。作者によると後世日本は柔軟な発想で動くので、このような奇想天外な作戦をとることができるのだそうだ。しかし、こんな策でよく相手がひっかかるものだと思ったら、後世独逸は金髪碧眼の条件を満たした無能なエリートが指揮官になっているからひっかかるのだそうだ。それなら別に正攻法で攻めても倒せるように思うが。
それだけではない。新しい旗艦須佐之男号(なんというネーミング!)は、核融合反応炉(!)で動いている。後世日本のイノベーションは常識では計れないと言い訳のように解説しているがSF作家ともあろうものがこんなことでいいのだろうか。
まだある。女性を活躍させればフェミニズムの考え方をとりいれたと思っているようであるが、そんな簡単なものじゃないでしょう。
それでも作者はしごく真面目にこれを書いているらしい。トンデモ小説になってしまっている。前回の感想でも書いたが、作者はすでに小説の面白さというものを見失ってしまっているように思う。長く続き過ぎて隘路に入り込んだという印象が強い。
(1998年6月25日読了)