「星間興亡史I」の、待望の続刊。
流浪の王子凛斗と傭兵レオンが協力して3つの強大な勢力を相手に独立自由艦隊を設立、失われた秩序を取り戻すという、羅門流シムシヴィライズ・スペースオペラ。前回の感想にも書いたが、架空戦記でつちかった文明史観が物語を裏付けているので、読みごたえがある。
今回はレオンの娘も加わり、崩壊した家族の家庭問題も視野に入ってくる。
王子凛斗は太陽帝国の宰相に幽閉される母を取り返して帝位復活をめざす。傀儡女帝をたてた宰相・康充郎は凛斗を誘い出し罠にかけようとする。しかし、GMと呼ばれるホスト・コンピュータに支配される地球連合がその内戦で手薄になった帝都を攻撃、それに対する凛斗の行動は……。
刊行ペースはゆっくりめだが、それだけじっくりと考えて書いているということでもある。SFファン、架空戦記ファン、両方が楽しめるシリーズではないだろうか。
(1998年6月27日読了)