「チキチキ歳時記」に続くシリーズ最新刊。
1500年の時を越え、道士徐福が秦の始皇帝を蘇らせ、西王母の住む崑崙山を襲う。麗芳と淑芳のチキチキ姉妹と九天玄女、そして助っ人の沙扇玉は、徐福の刺客・雪華に苦戦。徐福は始皇帝を使って自分の野望をかなえようとしている。その野望とは……。
毎度の軽いノリではあるが、今回は敵の設定がしっかりしている上に全体によくまとまった構成なので、読みごたえがある。シリーズの中でも一番できがいいのではないだろうか。というか、久々に作者の力量を示したものになったというべきだろう。
特に、徐福の野望が単純に世界を支配するというようなものでないところなどで話に奥行きがでているように思われる。人の業の深さ、みたいな。
このシリーズ、毎回このような調子で書いてくれればいいのだが。
(1998年11月1日読了)