前巻「紅蓮天女」から続くストーリーはまだまだ終わらない。
引き続き、信州、鬼無里(きなさ)が舞台。天狗の奸計にはまり、鬼無里が壊滅しそうなところを、直情径行の佐穂子がなんとか防ごうとする。しかし、天狗は「中央」をうまく煽り、「中央」自ら鬼無里を攻撃するようにしむけてしまう。
鬼無里の秘密を知った佐穂子たちは、天狗が鬼無里をどうにかしてつぶそうとしている理由に思い至る。
シリーズの途中の感想というのは書きづらいなあ。鬼無里の長にしろ佐穂子にしろ人の上に立つということのプレッシャーをいかにしてはねのけていくかという、成長物語ともなっている。佐穂子にひかれる中学生の千冬など、なかなかその年頃の男の子の様子がうまく描かれていていいじゃないか。
ところで、天狗たちとの決着、どのようにつけるのか。早く結末を読みたいよう。
(1998年11月15日読了)