読書感想文


クリムゾン・ハンター
渡邊裕多郎著
小学館スーパークエスト文庫
1999年1月1日第1刷
定価543円

 主人公、村雨宝也は忍者の末裔で腕利きの情報屋。謎の連続失踪事件を調査するうちに、「ラー財団」なる組織の配下にある外資系の食品会社による陰謀を嗅ぎつける。失踪した科学者が発見した珪素怪獣を使って世界支配をもくろんでいるというのだ。ところが、この怪獣はとどまるところを知らぬかのように成長し、巨大化する。やがて地球を食べつくすまでに成長するという。村雨は美少女殺し屋の薫とともに怪獣と戦う。
 アイデアでは土を食べて成長する怪獣というのが面白いぐらいか。主人公の情報を手に入れる方法がなんでも簡単にハッキングしたり人にきいたらすぐにわかったり、さらわれた女性の居場所をインターネットで確認するって、どうやったらできるのかそんなことというようなことまでやっている。怪獣の解析データが保存されてるのはMDだ。MOの間違いではないのか。それとも私が知らないだけでコンピュータにつないでデータを保存するMDというのがあるのか
 ウルトラマンが怪獣を倒すのだってそれなりに理屈はある。どうも説得力に乏しく、読んでいて辛いものがあった。これなら、「ヴァンパイア・ガーディアン」の続きを書いてほしいものだ。

※ソニーが出していたそうです。もっとも、この話、そんなマイナーなものを使う必然性はあまりないんだが。

(1999年1月10日読了)


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