ミリタリーSFの新シリーズが登場。
マンティコア王国航宙軍の巡洋艦に着任した新艦長は、若き女性、オナー・ハリントン。正義感と勇気と実行力に満ちあふれた彼女は、演習で格上の戦艦を破ったためにかえって目の敵にされ、その後の演習では散々な目にあわされる。その結果、辺境星系バシリスクに左遷されてしまった。バシリスクでの上官はかつて彼女とトラブルのあったヤング少佐。家柄だけで出世したという問題の多い彼は、オナーに全てをおっかぶせるようにバシリスクから去ってしまう。オナーは次々と重責を果たし、数多くの密輸を摘発する。その密輸の影にある敵国ヘイヴン人民共和国は、バシリスクを侵略してワームホールの移航点を奪おうとしている。邪魔になるオナーを罠にかけるべく、ヘイヴンの領事が動き出す。
上巻では戦闘らしい戦闘がないままにオナーの人柄やマンティコア王国の政治状況の説明などが中心となって話が進む。
理不尽な目にあいながらもめげずに職責を果たすオナーの姿は判官びいきの日本人受けしそう。オナーに感情移入できそうな人なら、彼女が名誉挽回していく様子に快哉を叫ぶことだろう。私としては、オナーが実力を発揮していくところ、少々出来過ぎというように感じられるのだが。
本格的な戦闘に入ってからが見どころとなるだろう。ということで、評価は下巻を読んでから。
(1999年2月6日読了)