読書感想文


星間興亡史 V 未来への希望
羅門祐人著
ASPECT NOVELS
1999年3月13日第1刷
定価880円

 「星間興亡史IV」の続刊。シリーズ第1部の完結篇となる。
 ガイアードと一時的にではあるが同盟を結んだ皇帝凛斗であったが、ガイアードはなんと地球を異空間にとばしてしまい真の意味での聖地としてしまう。後悔する凛斗。ガイアードには人質にされている皇母を救出するために愛する女性ライアが送り込まれている。参謀プラトンはガイアードが北河財閥と手を組み太陽帝国と地球連合すべてを支配下に置こうとしていることを察知。ガイアードに潜入させていたライアたちに皇母奪回作戦を実行させる。
 かくして、独立自由艦隊とガイアード=北河財閥の最終決戦がはじまる。
 なんと、この第1部は壮大な物語の序章にしかすぎないという。英雄群像を描きながら、巨視的な宇宙史を構築していこうとする作者の意気込みが感じられる。この序章は思いもよらない形でしめくくられるのだが、多数の架空戦記を書く中で歴史をシビアに見つめてきた作者ならではの決着といえる。一応の決着がついたので、未読の方はこれを機会に読んでみてほしい。「未来史」もののお好きな方にお薦めします。

(1999年3月6日読了)


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