読書感想文


バトル・オブ・ジャパン6 米本土強襲上陸
青山智樹著
KKベストセラーズ ワニノベルス
1998年9月15日第1刷
定価800円

 「バトル・オブ・ジャパン5」の続刊。
 戦争はまだ終結しない。講和を有利に運ぶために帝国陸軍はパナマ占領を提案。「竜巻作戦」と名付けられたパナマ湾攻撃作戦が発動される。米軍は戦艦を中心としたハルゼー艦隊で迎撃、ジェット戦闘機は帝国空軍を大いに苦しめる。しかし、ジェット戦闘機がいったん減速したら再加速するのに時間がかかるという弱点をついてこれをなんとか撃破。大型爆撃機「富嶽」の登場でハルゼー艦隊は全滅。米軍はマッカーサーに続き、ハルゼーまでも失うことになった。
 本書の見所は中南米諸国に対する日米両国外交の駆け引きだ。パナマ運河という戦争の結果を左右させる地域で、日米どちらが中南米諸国を味方につけられるか。最大の中立国、ソビエト連邦の中南米への影響の大きさに焦るヒトラー大統領。戦争は最前線での戦力の優劣だけで決まるのではない、外交の延長なのだという点をきっちり描いている。
 いよいよ戦争終結に向けて動きが急になってきた。

(1999年3月7日読了)


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