読書感想文


異 戦国志外伝 新真田十勇士 1
仲路さとる著
学習研究社 歴史群像新書
1998年12月25日第1刷
定価800円

 「異 戦国志 13 天下一統」で完結したシリーズの外伝が新シリーズとして開幕。。
 改変した世界を舞台にしたサブストーリーを独立した長編として出すという、異色の作品である。
 豊臣家再興を夢見て諸国を修行するのは、主人公、真田大助。お守り役の寝吉、森の中で出会った孤児末太郎、旅の僧雲心、真田信之につけられた忍びの才蔵、元織田家の家臣姉山竜国とその妻お百合、剣客元四郎と彼を親の仇と狙う兄妹隆次と菜々……旅の途中で大助は手当たり次第に家来を増やしていく。これが十勇士というのだから、かなりユニークだ。
 天真爛漫な大助のキャラクターには味がある。本伝はかなりシリアスなタッチだったのでこういったキャラクターは活躍しにくかった。外伝にした意味がそこらあたりにあるようだ。
 本書はまだ人物紹介といった感じで十勇士たちの本領が発揮されるのは次巻以降ということになるが、これまでの真田十勇士とはひと味違った作品になりそうで楽しみだ。
 できれば、新しい設定の世界でこれをしてほしかったのだけれど。

(1999年3月14日読了)


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