「フリーダムズ・ランディング−到着−」の続刊。
いよいよキャテン人の秘密が明らかになる。ザイナルによると、真の敵はキャテン人ではない。それはエオス人といい、肉体を持たずキャテン人の体に次々と乗り換えるように意識を移し、キャテン人に命じて宇宙の様々な星を侵略したり植民したりしているのであった。そして、ザイナルもエオス人の乗り物になる階層のキャテン人だったのだ。しかし、ザイナルはクリスを愛するようになり、エオス人と同化することを拒否するのだ。
ザイナルはエオス人打倒の作戦を練る。キャテン人の宇宙船の乗っ取り、〈ファーマーズ〉との接触など、計画は順調に実行される。特に、〈ファーマーズ〉の存在は、自分たちが宇宙で一番優れていると思いこんでいるエオス人の神経を逆なでするものであり、エオス人の標的が〈ファーマーズ〉に向くことを期待しているのだ。
本巻では、この計画の実行と、ボタニーに永住する覚悟を決めた人々の社会形成の様子を描く。
どうも、どんな困難な状況に陥っても登場人物たちは困りはするのだが深く苦悩する前になんとなく成り行きで事が進み、それなりに納得してしまうという感じなのだ。これが、私にはうまく話に乗りきれない理由なのだ。もっともっと軋み、内乱もあり、不確定な要素で人々が翻弄されないと面白さを感じないのだ。困った状況があってもそのうちなんとかなるというのではちっともどきどきわくわくしないのだ。
とはいえ、前巻に比べると話に動きもあるし、それなりに読みやすかったとはいえるのだけれど。なんか、完結篇となる次巻の決着も予測がついてしまって、それもなあ。
(1999年5月16日読了)