今頃読むなんて遅すぎる。そうかもしれない。これまで読まずにほったらかしておいた自らの不明を恥じるべきだろう。と、これは「玩具修理者」の感想でも書いたか。
表題作を読んで、叩きのめされてしまった。しばらく立ち上がれそうにない。遺伝子操作や臓器移植を扱って人間性とはなにかということを描いているなどという要約をすべきではないであろう。そういう話ではあるのだけれど、倫理観も何もぶっちぎったところに屹立している。
「吸血鬼狩り」に含まれた「15才の女の子と性交するときと子どもをからかうときは十分注意すべし」という教訓はしみじみ心に迫ってくる(半分冗談、半分本気でそう思いました)。ああ子どもは恐い。「本」では”絶対芸術”なる概念が出てくる。”絶対”を極めるということはいったいどういうことか。行き着くところは果たしてどこなのか。
1作ごとに手を変え品を変え、「俺はいったい何者なのだ」と自問自答せずにはいられないものを突きつけてくる。
なんで今まで私はこの本を読んでへんかったんや。全くもってお恥ずかしい。同じ作者の他の本も読んでしまわねば。
(1999年6月27日読了)