「満天星降」に続くシリーズ第6巻。
平安朝ものの伝奇アクションには欠かせない平将門の怨霊がついにこのシリーズにも登場。京の都を舞台に姫宮と戦うという展開になる。しかし、晴明の扱いにも見られるように、この作者がおなじみの題材をありきたりの方法で料理するわけがない。親王に転生した将門が都を混乱に陥れる……と思ったら、実は……。二転三転しながら将門の怨霊の正体を明かしていく。そのひねり方が面白い。
また、姫宮が両性具有であるという設定を生かして新たな一面を引き出したりもしている。これは今後の展開に影響を与えそうで、それも楽しみだ。
(1999年7月25日読了)