「続きはどうにも理不尽」に続くシリーズ完結編。
浩平は有翼の姉妹に、猫耳少女寧々は仙台政府に囚われの身。ゆうざんチームの総力を挙げて二人を救出しなければならないところに、メンバーの美貴がなんといきなり東京政府の皇帝になってしまい、民衆は熱狂的にそれを迎えている。ゆうざんチームのリーダーすずは美貴が有翼の姉妹に操られていることを察知、まずは寧々奪回に全力を尽くす。
第1巻から張られていた伏線をきちんと使って猫耳少女や有翼姉妹が東京に出現したことや特殊害獣が続々と現れる謎解きが、ドタバタの中で一気に明かされていく。大きく広げた風呂敷がきちんと畳まれていくという感じ。
キャラクターの立て方、ギャグのセンス、スピーディーな展開、まとまった構成など、一定の水準をクリアしている。ただ、それ以上に突き抜けたところがない。破天荒な面白さ、あきれるようなばかばかしさというものを、私は2巻までの展開から求めていたのだが、残念ながら作者の知性が邪魔をしてしまったという感じである。
最後に残った感想が「さすがにうまいなあ」だけではちょっと寂しい。
(1999年8月31日読了)