「地球連邦の興亡 2 明日は銀河を」の2年ぶりの続刊。
本巻では、前巻に続き、対異星人戦争後に起こる地球人どうしの争いが描かれる。内戦に発展しかねないテロに直面した惑星での戦争を未然に防ごうとする軍人たちが主役となる。
政治、経済、そして軍事方面と総合的な視点から人間を描くという作者ならではの展開にはなっているが、これまで架空戦記でやってきたことをただ舞台を変えただけではないかという印象が残ってしまった。シリーズ開始当初は異星人との戦いということで新機軸と期待もしたのだが。
宇宙を舞台にした小説としてはこういう展開は新鮮かもしれないし、凡百の異世界小説と比べると、設定や展開に説得力もある。そういう意味では、続刊が出たことは喜ばしいことではあるのだが。
この手のシリーズものとしては驚くほど長い沈黙の後に書かれた続編なので、大きな変化が見られるかと思いながら手にとっただけに、やはり新機軸を打ち出してほしかったというのは欲張りすぎだろうか。
(1999年9月26日読了)