読書感想文


魔術師たちの宴
ハルマゲドンバスターズ
嬉野秋彦著
集英社スーパーファンタジー文庫
1999年10月10日第1刷
定価533円

 「佐原家の人々」に続くシリーズ第5弾。
 ドルンハイムから奪った「赤の書」を狙い、謎の一団がゼン、サクラ、ムジカらを狙う。彼らは4人組で、ネイティヴ・アメリカンのアブサルコ、アフリカ系の呪術を使う凶暴な女魔術師ディヴィアン、香港の魔術師ヴァレリー、アイルランドの怪力男カスバドという世界各地から集まった強者ばかり。また、この4人組を追って英国女王直属の魔術師マクファーソンも加わってくる。実にタイトル通り「魔術師たちの宴」である。
 派手なメンバーが揃い、物語は新たな展開に。こういうストーリーは敵がどんどん強くなって主人公の側の力が通用しなくなってくるというパターンで、本書にもどこまでエスカレートするかという楽しみがある。ゼンたちがよりパワーアップを図る「巨人の星」的な展開か、知恵と工夫で危機を乗り切る「サイボーグ009」的な展開になるのか。次巻以降の興味はそこらあたりになるかな。
 本巻はどちらかというと強敵の顔見せという感じであるから、本書だけでどうこういえる段階ではないのだが。

(1999年10月23日読了)


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