読書感想文


噺家カミサン繁盛記
郡山和世著
講談社文庫
1999年8月15日第1刷
定価552円

 「ま・く・ら」の小三治のおかみさんが、弟子やら亭主やらひと癖もふた癖もある”噺家”なる世にも不思議な人種と同居する奮闘の日々を、切れ味鋭い文章で綴る。なによりもこの文章のセンスがいい。間といいテンポといい、絶妙である。どんなに悪態をついていても、からっとしている。江戸前の女とはこういう人のことをいうんでしょう。
 小三治という噺家が芸人らしからぬ独特の雰囲気を持っている人だけに、よけいに面白いということはいえそうだ。こういう女将さんを探し当てた小三治師匠と、そういう噺家に惚れた著者。どちらもたいしたものであるなあと感心した次第である。

(1999年10月30日読了)


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