読書感想文


倒凶十将伝 巻之拾弐
庄司卓著
朝日ソノラマ文庫
1999年12月31日第1刷
定価470円

 「倒凶十将伝 巻之拾壱」の続刊。
 いよいよ現世魔王と光の十将、十斗、そして影の零将、破軍が対決というところまでこぎつけ、完結まであと少し。勝敗の鍵を握るのは魔王の巫女と化した、ここの。魔王は、魔界、人間界、仙界の三界の王として君臨する意志を明らかにし、人間界から光を奪うことで人々の恐怖心をつのらせ、人間界を支配下に置く。米軍は、人間と凶魔を融合させた兵士を送り込み、魔王を倒そうとするが……。
 米軍の凶魔兵士などの描写を通じて平和のための戦いにおける倫理を問いかけるなど、本書では作者の問題意識をかなりはっきり打ち出している。
 魔界、人間界、仙界という設定についての説明が不足していてやや説得力に欠けるが、完結に際してちゃんと説明するのだろうか。それとも、それらは当然あるものとしてそういう世界設定を提示したままで終わるのだろうか。そこらあたりは次巻を待ちたい。
 でも、次巻こそちゃんと完結するんだろうな。

(1999年12月22日読了)


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