「地球連邦の興亡 3 流血の境界」の続刊。
本巻で惑星リェータの内乱に関するエピソードが一区切りついた。叛乱を未然にくい止めようとする南郷らの緻密な作戦、群集心理の分析的な描写、ちょっとした偶然によって緻密な計算も覆されていく様子など、徹底的に細部を書き込み、いささか息苦しくなるほどでさえある。しかし、長大な未来史をこれだけ細かく描きながら、そこから全体像が浮き彫りにされていく構成には舌を巻く。
一時新刊が途切れていた作者がここに来て復活、快調に新刊を書き下ろしている。以前よりも文章は読みやすくなってきたと感じるものの、登場人物たちが何かというと気の利いた警句や箴言を吐こうとするのは、台詞まわしとしてはくどいように思う。あ、これは「銀河英雄伝説」(田中芳樹)の登場人物にも同じことがいえるな。
ともかく、人類間の戦争が激しくなり、物語がいよいよ本題に入ってきた。できれば、異星人との戦いもからめて本格SF未来史のシリーズにしてほしいものである。
(2000年1月25日読了)