「魔術師たちの宴」に続くシリーズ第6弾。
「赤の書」を狙う謎の魔術師集団と戦うために、英国王朝に仕える魔術師たちと手を組むことに決めたゼンたちだが、英国側にはそれに不満を持つ者もいて足並みが揃わない。ムジカは敵の一人ヴィヴィアンと一騎打ちの約束をする。しかし、あと一歩でヴィヴィアンをしとめようというところで敵の一人カスバドが乱入、強敵カスバドの前にムジカは倒れ、捕虜となる。敵はゼンにムジカと「赤の書」との交換を申し入れてくるが……。
今回はムジカとヴィヴィアンの対決が軸となってストーリーは進む。敵集団の秘密の手がかりはあまり明かされなかったものの、キレやすく残忍なヴィヴィアンのキャラクターはけっこう強烈で、さしものゼンたちも今回は少し影が薄い。
また、敵集団のキャラクターが本書ではかなりはっきりしてきたため、かなりの盛り上がりをみせてきた。
前巻の感想にも書いたが、敵集団のパワーはどんどんエスカレートしていっている。それに対してゼンたちは味方の連帯で対抗していくという形を作者は選んだ。結局は仲間同士がばらばらな敵集団がその弱点をつかれて倒される、ということになるのだろう。そこらあたりの読みを裏切るような展開を次巻では望みたいところだが、おそらくセオリー通りに進むのであろうな。
(2000年2月15日読了)