読書感想文


魔術戦士 7 魔王召喚
朝松健著
ハルキ文庫
2000年5月18日第1刷
定価667円

 「魔術戦士 6 冥府召喚」に続く第7巻。第1巻の初版が1989年に出版されて以来、紆余曲折を経てきたこのシリーズがとうとう本巻で完結した。
 W∵O∵R∵M∵とS∴W∴O∴R∴D∴の魔術戦士たちの最終決戦がここでは描かれる。全人類に災厄をもたらす人工衛星を破壊するために空へ飛び立った戦士たちの様子、そして地下でレイを助けメルクリウスの野望を打ち砕こうとする志門たち。敵の内部分裂、そしてレイの秘められた力の顕現。秘術の限りを尽くした戦いの勝敗やいかに……。
 作者の豊富で奥深い魔術知識を駆使した物語は、それにふさわしく光と闇のイメージをストーリーに巧みに織り込み、読者を力で押し切るように完結した。そして、物語を通じて、悪とは何かという問題を読み手に突きつけていく。余韻の残る末尾にも好感が持てる。
 できれば神という存在についてもっと深く突き詰めてほしかったとは思うが、この長く苦しい志門の戦いの重みを感じ取れただけで十分なのかもしれない。
 かくして足かけ10年、次々と版元が変え、とうとう結末までたどり着いた。しかし、物語はこれで終わったわけではなかろう。志門聖司は姿形、名前を変えて著者の新たな作品に生き続け、戦い続けることであろう。
 完結を機に、ぜひ全巻通して読んでみていただきたい。

(2000年5月17日読了)


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