「ゴーストエリアQ」に続くシリーズ第2弾。
戦争時代に傭兵仲間だったリマンズ・アルバ。彼女は平然と人を殺せる、グランドの闇の部分であった。仲間を裏切った彼女は自分たちの手で葬ったはずだった。しかし、彼女としか思えない手口で少年たちが殺される事件を知り、グランドは彼女が生きていることを確信する。おりしも、コロニーでは平和になったことで不要となった傭兵たちを排斥する動きが高まりつつあり、「傭兵狩り」が黙認される状況である。行き場のなくなったグランドは、仇敵リマンズの姿を求めて戦いの場におもむく。一方リマンズも、グランドが誘き寄せる罠を仕掛けていた。壮絶な戦いのあとに残ったものは……。
時代に取り残された者たちがあがくように生きている。グランドの姿にその哀しみを描き出そうとしている。対するリマンズは、自分が不要の者であることを自覚していない。これが、互いに自覚した者同士の戦いであれば、物語に陰影がついて深い感興を呼び起こしたはずである。殺人マシーンとの戦いという軸に対し、平和に倦んだ社会という背景がうまく結びついていないような印象が残る。
リマンズというキャラクターの造形には魅力がある。だから、そのキャラクターが生きるような設定を作りだせていれば、本書で描かれた死闘にももっと意味が与えられたことだろう。
ここでもほろ苦さはいくぶん薄く、このシリーズにはそれを求めるべきではなかったのかという気がしてきた。グランドの戦いがどういう意味をもってくるのか、今後の展開を待ちたい。
(2000年12月26日読了)