読書感想文


リングテイル3 グードゥー狩り
円山夢久著
メディアワークス電撃文庫
2000年12月25日第1刷
定価530円

 「リングテイル2 凶運のチャズの続刊。
 盗賊チャズと行動をともにする魔道師見習いチャズ。彼女は自分が過去の世界にタイムスリップしたことを受け入れられないでいるが、盗賊ボーソやその恋人で活発な少女フェイなどと交わり、チャズを助けて魔法を使うことなどにより、自分の運命を積極的に受け入れるようになる。チャズは王に根拠地を奪われた代償として、盗賊の首領ゴヴァナンの命により〈森羅の森〉に住む怪物グードゥーを狩ることになった。チャズについて森に入るマーニがそこで見たものは……。
 本巻では、主人公マーニが人間として成長していく様子が描かれている。小説の場合、どうしても登場人物の心情をモノローグの形で語らせて、その成長の過程を描き出していくことになるのだけれど、実際の人間的成長というものは頭で考えた通りに成長するのではない。自分でも成長したことに気がつかないで、まわりから指摘され初めてわかるというようなものだと思う。そういう意味では、本書でのマーニの描き方は理が勝ち過ぎているように見受けられる。
 第1巻は様々な内容をコンパクトにまとめた構成になっていたけれど、シリーズ化されると1巻ずつ細かく書き込みたくなるのだろう、ストーリー展開のスピードがやや鈍くなっているように思われる。一つのエピソードはなるべく1冊でまとめてほしいものだが。少しずつ物語が平板になってきてるように感じるのは私だけだろうか。
 次巻からは、もっとスピーディーに物語を進め、内容を凝縮していくことを期待したい。

(2001年1月13日読了)


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