「若草野球部狂想曲 2 クイーン・オブ・クイーンズ」の続編。シリーズ完結篇である。
春合宿のために京都北部の宮津にやってきた若草学園野球部の面々。しかし、春野亜希は新学年になって男子部員が入部してきた時に、女子部員の居場所がなくなることを考え、うかない気分である。合宿先で出会った有馬大志は秋季大会で準優勝しながら選抜大会に出場できなかった若狭常陽高校の豪腕エースであった。若草の中心である西宮光児は、悩む亜希の心を知ってか知らずか突き放した姿勢で臨む。反発した亜希は若狭常陽野球部とともに若草野球部と試合をすることに。しかも、若草が勝てば亜希は野球部を退部に、若狭常陽が勝てば光児が野球部をやめるという賭けをして……。大志の豪球を若草野球部はどう攻略するのか。二人の命運を賭けた試合の結果は……。
野球というスポーツのフィジカルな面とメンタルな面をうまく織りまぜ、その醍醐味を十分に味わわせてくれる。シリーズの完結篇にふさわしい大団円も気持ちよい。コメディとしての味つけも3冊目となるとかなり練れてきて、野球についてあまり関心がない者にもとっつきやすいようにする工夫として読める。楽屋オチの部分はあるにしても……。
自作はどのような方向性のものを書くのか、それは現時点では不明だが、できればずっと野球ものを書き続けていってほしい。コメディの部分を切り捨ててもよいから、野球の面白さを伝える作品をこれからも発表していってほしいものだ。
(2001年4月14日読了)