読書感想文


弾け!フリント・ロック 2 ねらわれた月虹シャトル
大平恵子著
ポプラ社ティーンズミステリー文庫
2000年9月第1刷(2000年9月15日発売)
定価390円

 「弾け!フリント・ロック1極光のリボン」の続刊。
 明日香と未来人の中学校の先輩、春日暁生が「電子ペットコンクール」に優勝し、スペースコロニーにある大学に飛び級で入学できる資格を手に入れた。もう一人、暁生の同級生である高田悠介も大学入学の資格を手にしているが、入学できるのはただ一人だけ。二人をコロニーに連れていって最終選考をするために来日したゼファー・ライヒ氏が空港で何者かに襲われ、暁生と悠介に疑いがかかる。また、暁生の母で人気女優の石川塚桜翼は息子を溺愛するあまり、手元から放したくない。ゼファーを襲った犯人は誰か。暁生たちが乗ったシャトルに仕掛けられた罠とは……。
 いよいよ物語は本題に入ってきたようだ。ただし、主人公の双子は本巻では狂言回し的な役割であり、実際のテーマは子どものまま成長ししまったような大人たちの愚かさというところにある。そこで主人公たちが果たした役割から、次の巻への展開が始まっているという書き方になっている。
 作者はもっともっといろいろなことを盛り込みたいのではないかという気がする。しかし、枚数の制限などでそれができないもどかしさがあるように感じられた。そういう意味では本シリーズはこの文庫で展開するには少し無理があるのかもしれない。

(2001年4月29日読了)


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