「爆笑問題の日本史原論」に続く第2弾。
今回は歴史上の人物に焦点を絞った漫才が紙上で繰り広げられている。とりあげられた人物は豊臣秀吉、ヤマトタケル、平賀源内、吉田茂、松尾芭蕉、天草四郎、源義経、空海、千利休、聖徳太子、紫式部、坂本龍馬の12名。特に伝説の多い人物の方がギャグが作りやすかったとみえてツッコミ方も鋭い。
太田光は偉人たちの置かれた立場や行動を時事ネタに例えてみせる。そうすると偉大な行動が急に卑小なものに見えてきてしまうのが面白い。あとがきでも書いているように、どんな偉人であっても結局は人間であり、つまらないこともしているし結果オーライなところもある。その点を踏まえてあえて偉人を美化することなく、それでいてやはりその人物の偉大さが浮き彫りになるようにネタが進むのである。ここらあたりの息や間は爆笑問題ならではの「読む漫才」の凄さを感じさせる。
本巻でも田中聡による解説が付いており、ネタにされた人物に関する最新の研究結果が簡潔にまとめられている。この部分だけ読んでも面白い。イデオロギーにとらわれない歴史のとらえ方が自然に身につくといってもよい。歴史が苦手な方にこそお勧めしたいシリーズである。
(2001年8月14日読了)