「千年紀末古事記伝 ONOGORO」の続編。
「古事記」の最後の部分までを本来の内容にのっとりながらところどころ新しい解釈を入れて再構成する試み。
前巻同様「古事記」に書かれていることの真相はこうなのだ、という書き方でその内容をコンパクトにまとめている。ただ、前巻よりも本巻は「古事記」のダイジェスト的な感じが強まっている。これは古事記の内容が神話の部分から歴史の部分に移行しているため、こうならざるをえなかったのかもしれない。
そうなると、もう少し「古事記」の記述をシニカルに見つめてほしいという気になってくる。「古事記」という書物はその成立過程からいってもかなり政治的な意図があって編纂されたものだからだ。ここまでストレートにダイジェストされると、それでいいのか、という気になってくるのだ。
また本書ではプロローグからヤマトタケルが世界創造の鍵を握る存在として描かれているが、なぜ彼がその役割をになうことになったのか、その理由が結局わからないままになっており、SF的味つけをするためにつけ加えただけというような印象が残った。また、古代史の真相をミステリ的に読み解いているというわけでもない。
そういう意味では私は読了後なにか食い足りない思いを抱いた。手堅くまとまってはいるが、それ以上のものになっていないように感じたのである。
(2002年1月2日読了)