「南国戦隊シュレイオー」に続くシリーズ第2巻。
神武コンツェルンは、シュレイオー・チームとの戦いに仙術機を繰り出してきた。それに騎乗するのは、アロウの積年の好敵手であるリミティア。しかし、アロウはそのことを知らず、旅士との間に芽生えた恋心に戸惑っていた。旅士もまた、アロウに対する思いがつのってくる。せっかく海岸を二人きりでデートする計画を立てたのに、上司の井草たちは悪のりしていっしょについてくる始末。そんな平和を楽しむ彼らを狙って神武コンツェルンの攻撃が始まった。油断していた隙を突かれた彼らに反撃の手段はあるのか……。
本巻では、半分以上が旅士とアロウの恋物語に費やされている。恋をするにはあまりにもうぶな彼らの描写が意味するものは何なのだろう。これは今後の展開次第ということになるのだろうが、私は戦いという現実と恋という夢の対比に彼らが苦しむ日がくる、その伏線ではないかと推測しているのだ。でなければ、単に作者が恋物語を書きたかっただけか。しかし、設定から考えると、ただ若い男女に恋をさせるだけではもったいない。というか、それならばこの設定でなくてもよいのである。
本巻はエピソードの上巻であるから、前巻で示された本土と沖縄の関係などはほとんど重要視されていない。あれだけ思い入れのあったテーマにここまで触れることがないというのも驚きだ。作者がここで何をしたいのか、まだ見えてこない。次巻でそこらあたりがうまく解決されることに期待をしよう。
(2002年7月21日読了)