読書感想文


ランブルフィッシュ5 凶天使襲来編
三雲岳斗著
角川スニーカー文庫
2003年2月1日第1刷
定価590円

 「ランブルフィッシュ4 伝説崩壊編」の続刊。
 RFが実戦形式で戦うハードなスタイルの競技がSRである。映画撮影に使用するためにアメリカからキャロライン・レイステル、ユアン・ガルー、ユーリアン・ハート、エレアノーラ・アイドリスという4人の強敵が来日してくる。迎え撃つ恵里谷のメンバーからは、エースである蒼威がイギリスにスカウトされたため抜けてしまっている。戦闘予行演習で大暴れするユアンに対しては、沙樹の力量では対抗し切れない。そこに登場した恵里谷最後の切り札とは……。
 さらなる強敵が登場するという少年マンガ的パターンであるが、そこに主人公たちの過去に関する秘密をからませるなど、工夫はなされている。アクションシーンの描写や、狂的なユアンのキャラクター(「仮面ライダー龍騎」の浅倉とキャラクターがかぶっているのは意識してのことだろうか)など、巻を重ねるごとに内容もエスカレートしていっている感じだ。しかし、これはかなり危険な兆候かもしれない。少年マンガの場合、こうやってエスカレートさせることによってストーリーが自壊することが多いからだ。もちろん作者のことだからそのような愚は犯さないだろうとは思うが、見た目の派手さがあがるほど、どうしても奥行きを感じさせなくなってしまうものだ。そうならないことを願っている。

(2003年2月28日読了)


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