「KLAN
IV 野望編」の続巻。
リンフォード伯爵が送り出した新たな刺客は、ロシア軍の高官で熊のクランのリーダーであるルシアであった。ルシアは時分たちの居住する特別区域を伯爵に用意させるのを条件に、虎ノ介たちを襲う。孝行と美笛がけっこんし、幸せの絶頂にいる彼らに襲いかかる魔の手。しかも、ルシアはかつてアリョーシャと結婚まで誓いあった仲で、裏切ったアリョーシャに対して復讐の思いを持っているのだ。ソ連時代に鍛えられた戦闘能力を持つルシアたちとアリョーシャたちはどのように戦うのか。この戦いを仕組んだリンフォードの真意は……。
本巻より書き手が交代した。そのせいか、恋愛の要素が付け加わり、かなり甘ったるい感じの話となっている。とはいえ、作品の設定や登場人物の性格などは新しい書き手はしっかりと受け継ぎ、破綻のないようにこなしている。さらに作者独自のカラーを強く打ちだせるかどうか、今後に注目したいところである。
(2003年3月21日読了)