「巴里・妖都変」に続くシリーズ第4弾。今回は新書ノベルスという版型も版元も変わらず。ただし3年半以上も間をあけるのはシリーズとしてはあまりいいことではないと思うのだが。
薬師寺涼子と泉田警部補のコンビは、今度はバンクーバーに出張だ。出張旅費だけでも大変だぞ警視庁。税金の無駄遣いだぞ警視庁。いつも税金の無駄遣いを批判する作者も自分の作品の主人公には甘いのか。まあそんなことはどうでもよいが、とにかくこの名コンビがバンクーバーで起きた日本人殺人事件の調査で出張し、外務官僚をやっつけたあと、映画王の豪邸がある黒蜘蛛島へ行くのである。そこには文字どおり蜘蛛の怪物がいて、涼子は例によって傍若無人の大活躍をするのである。
「ドラよけお涼」の超人ぶりや、二人が行くところ必ず室町由紀子が出張してきているというのはもうお約束ということになっているのだろうし、その枠内で痛快でコミカル、軽快なテンポのアクションが繰り広げられるのも決まりごとというわけである。
したがって、本書は特に目新しいアイデアや新機軸があるわけではなく、肩のこらないエンターテインメントとして非常に楽しく読める。それはそれでよいのだが、それならばこんなに前巻との間をあけることもなかっただろうに。
(2003年11月11日読了)