「ばとる・おぶ・CHUCHU 吸血っ娘襲来!」に続く、シリーズ第2弾。
吸血っ娘のリーダーであるシャルロットは、自分たちの封じ手である正太郎に対し、倒すだけではなく自分を愛してほしいと願うようになる。一方、正太郎たちの護衛についた聖白百合学園の乙女たちは、吸血っ娘を封じる妖刀〈沙羅〉を手にしたとたん、刀と共鳴して正太郎に愛されたいと迫ってくる。正太郎を守るために選ばれた5人の乙女たちは、いずれも彼を恋い慕うようになっていたのだ。正太郎のパートナーとなるべく同室に寝起きするあいもまた、彼への恋慕を抑え切れない。そして、正太郎の曾祖母、千草の口から明かされる〈沙羅〉の秘密とは……。
本巻では早くも〈沙羅〉の秘密が明かされる。これで、荻原家の女性のみがこの妖刀を使うことができる理由もはっきりする。正太郎にできることは、荻原家の跡継ぎとなる女の子を誰かに産ませることだけだ。そこで、ここからは少女たちによる正太郎争奪戦という様相を見せることになる。これには吸血っ娘のリーダーもからむ。
吸血少女たちの中での人間(?)関係など、仲間同士の関係が揺らいでいく模様はよく書けているが、ストーリーらしいストーリーがないのが本シリーズの弱味か。第1巻の感想で「シチュエーション・コメディ」と本シリーズのことを表現したが、まさにその通りの展開となっている。
ラブコメの設定としては、吸血少女との戦いというのはちょっともったいないような気がするのだが。
(2004年2月23日読了)