読書感想文


あそびにいくヨ!2 作戦名「うにゃーくん」
神野オキナ著
メディアファクトリー MF文庫J
2004年2月29日第1刷
定価580円

 「あそびにいくヨ!」の続巻。
 嘉和騎央の家に転がり込んできた猫耳異星人のエリスは、正式に大使として認められ沖縄の騎央の家を仮の大使館として地球に常駐することになった。東京に行きたいというエリスの希望で、騎央と彼の幼なじみの真奈美、同級生のアオイがボディガードとして同行する。猫耳を信奉する教団「子猫の足裏」はエリスを神としてあがめるために12歳の大富豪少女アントニアのクルーザーに拉致する計画をたてる。一方、犬耳異星人たちが登場し猫耳異星人エリスを標的に暗殺計画をたてる。拉致されたエリスと騎央の運命は……。暗殺異星人の計画の成否は……。
 前巻ほど楽しめなかったというのが正直な感想。猫耳教団「子猫の足裏」や少女大富豪アントニアの設定にはどうひいき目に見ても無理があるように思うし、猫耳異星人の仇敵となるであろう犬耳異星人が本巻からいきなり登場するのもシリーズ化を意識したのがありありとしており唐突の感を免れ得ない。
 できれば沖縄と東京の対比をはっきりさせ、作者の沖縄愛を本巻でも前面に出してほしかったところだ。例えばエリスが東京に行くのは情報収集ではなく各国の大使館との外交交渉にするなどしたらストーリーに緊張感が生まれただろう。シリーズ化のために無理をしているというような印象が残ってしまった。続巻でどのように整合性を保っていくか。このままだといささか苦しいのではないかと思うのである。

(2004年3月27日読了)


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