「桂米朝集成【第一巻】上方落語1」の続巻。
本巻には、寄席囃子に関する貴重な資料や、京都新聞に連載されたが単行本未収録であった京都と著者の関わりや京都における落語などについて書かれたエッセイ、独演会のパンフレットに寄せた文章などを中心にした構成になっている。
特に、京都新聞に連載されたものは、私はリアルタイムで読んで切り抜きも残していたので、改めて読み返すと懐かしく感じられた。連載時につけられていた写真も再録してくれていたらもっと嬉しかったのだけれど、そこまでのぜいたくを言ってはいけないか。
寄席囃子については、今は亡き林家トミさんとの対談が採録されており、昔の大阪の寄席での下座の様子やシステム、師弟関係などが証言として残されているのはとても貴重なことである。
独演会のパンフレット再録は、年齢を追うごとに著者の心境がどう変化していったかをたどることができる興味深いもの。現在の視点からの関係者のコメントも新たに書き加えられているのが楽しい。
著者が、滅びようとしていく文化をどのように残そうとしているかを知ることのできる貴重な一冊といえるだろう。
(2005年4月2日読了)