読書感想文


上方落語 桂枝雀爆笑コレクション2 ふしぎななあ
桂枝雀著
ちくま文庫
2006年1月10日第1刷
定価900円

 「桂枝雀爆笑コレクション1 スビバセンね」に続く第2巻。本巻には「天神山」「日和ちがい」「はてなの茶碗」「こぶ弁慶」「胴斬り」「蛇含草」「首提灯」「皿屋敷」「SR」「鉄砲勇助」「七度狐」「夏の医者」「権兵衛狸」を収録している。
 本巻はサブタイトルの「ふしぎななあ」からわかるように、狐狸妖怪の登場する落語を中心に、シュールな味わいのある演目が収められている。「日和ちがい」はシュールではないと言われそうだが、マクラの「進化論」の部分をもって本巻に収録するにふさわしいとしたものであろう。
 それにしても、狐狸妖怪のたぐいを実にかわいらしく演出できるのが枝雀落語だったと、あらためて感じさせられた。怪談風の落語でも、観客を怖がらせることに主眼をおかないのが枝雀師匠のモットーであったのだ。本シリーズのように速記として活字で残されたものからも、その雰囲気は十分に伝わってくるように思われる。
 また、「あれ? おかしいな」と思わせるようなネタであっても、それをまるごと観客が受け止められるような、そんな柔らかな味わいがあったのだ。
 とはいえ、小米時代に作られた「SR」(ショート・ラクゴの意)は、どきりとするほど残酷な側面があって、声と映像があるからそれが緩和されていたのだということも明記しておきたい。

(2006年1月18日読了)


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