「涼宮ハルヒの陰謀」に続くシリーズ第8巻。
中編2本を収録。「編集長★一直線!」では活動をしていないことを理由に文芸部を部室から追い出すという通告をされた長門にかわり、ハルヒが編集長となって会誌を編集すると宣言。しかし、SOS団の面々はくじ引きで書く作品のジャンルをあてられるというめちゃくちゃな指令により四苦八苦。俺はなんと恋愛小説を書かされるはめに。ハルヒの敵として登場した新生徒会長だが、あまりにも絵に書いたような敵っぷりで、実はそれには裏があった……。「ワンダリング・シャドウ」では俺とハルヒの同級生である阪中さんが、幽霊が出るらしく犬が散歩を嫌がるルートがあると相談にきた。むろんハルヒは大乗り気。幽霊なんて本当にいるのか。実地見聞したところ、幽霊らしきものは見あたらなかった。しかし、数日後、阪中さんの愛犬が病に倒れ……。
新たなるライバル、新生徒会長の出現と、それに関わる古泉の謎の行動など、今後のシリーズ展開に変化をもたらす伏線が張られる。
もっともそれは作者にとってはついでみたいなものかもしれない。本書のみものはSOS団のメンバーによる文芸部会誌の作品である。作者はそれぞれの登場人物ならいかにも書きそうな作品を一人で書き分けている。これはかなり高度な技術がいると思うのだ。それを見事にやってのけるあたり、作者はまだすり減っていないようなので安心した。こういう芸当ができるのも、それだけ登場人物たちが作者の血肉となって生きているからなのだろうと思う。
(2006年6月24日読了)